政経を語る№12:稲田防衛大臣真珠湾訪問の翌日、靖国参拝に仰天―信義たるものを問う。
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2017年の政治経済を語る、として、プーチン大統領訪日の際の裏話と、安倍総理真珠湾訪問の翌日に稲田防衛大臣が靖国参拝した問題をとりあげる。
前者は安倍氏がいっとき落胆したように思えたとき、励ます独り言を何度か言う。後者はあきれかえると同時に、稲田氏の行動の意味が理解できない。今回は後者を、次回前者を掲載する。即座のコメントができなかったのはパソコンが不調であり、一応使用可能となっても、今月の歌など作成すべきコンテンツが山積していたことによる。
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【本題】
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「稲田朋美防衛相は29日午前、東京・九段北の靖国神社に参拝した」という記事を見て仰天した。
最初に結論を記す。
私は今回、靖国参拝の是非を論じない。それ以前に、信義たるものを問う。特に、儒教・朱子学を尊ぶ「日本」を信奉している人に問いたい。
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論じる前に最初の感想。
稲田防衛大臣「真珠湾訪問の翌日靖国参拝」の記事を見て驚いた。次に、2017年1月7日ネットを見て驚いた。稲田防衛大臣靖国参拝問題関連記事が膨大に削除されていたことに驚いた。
論題に入る。特に、私のコメントに対する外務省官僚の感想を求める。
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論点前の整理事項
(ケリー国務長官とオバマ大統領の広島訪問)
オバマ大統領にとっては、アメリカ国内での支持率はどうでるか未知数であった。他方、安倍総理の支持率は確実にあがると分析される事項であった。
実際、安倍氏の支持率は2016年4月に42%であり、あのままでは三〇パーセント台に突入し、下落の勢いがつけば二十パーセントへの道の危険もあった。(前年の8月は実際に37%となっている)。それを救った要因の一つがケリー国務長官とオバマ大統領の動きであった。ケリーの広島訪問前後で安倍総理支持率45パーセント、オバマ広島訪問が決まるや48パーセント、オバマ広島訪問で53%、その一月後・九月には57%である。(いずれもNHK調査)。
世論調査は当てにはならないが、少なくとも、選挙には反映を一部していた。
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(安倍総理の真珠湾訪問)
人の想像とは逆であり、安倍氏には大変有利、オバマ大統領には未知数か若干有利のはずであった。この訪問で安倍総理の支持率は上がるとしか分析できなかった。私の如く、党派中立を標榜(ひょうぼう)していても、憲法九条擁護派ですら、この決定に対して「Good Job(よくやったに近い意味)」を即座に言ったくらいである。
数値でいえば、報道ステーションの調査では、安倍総理の真珠湾訪問を「評価する86%、評価しない9%」となっていた。
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要するに、オバマ大統領が安倍氏を脅して、安倍総理は真珠湾へ行ったのではない。これを商談にたとえれば、安倍氏が得をする商談だった。真珠湾行きは安倍氏の支持率向上につながることは以上の資料より明白であった。
よって、安倍総理の真珠湾訪問は、本来、オバマ大統領以上に安倍総理に有利な話であった。(国内での支持率問題などから)
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ところが稲田氏の行動で、オバマ大統領はダメージを受けた。安倍総理自体もダメージを受けるかもしれない。もし、日本人が純粋な心の持ち主であれば、左翼のみならず右翼からもダメージを受けるであろう。右翼なるものが本来の儒教・朱子学を本当に尊んでいれば、卑怯(ひきょう)とか武士道に反するという形でそのツケは回ってくるであろう。もし、回ってこなければ、右翼の神髄である儒教型道徳が右翼に十分しみこんでいないという結果でしかない。
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正確には安倍氏については支持率がでていないため不明である。オバマ氏は下記に記すよう、支持率問題ではわずかとはいえダメージを受けた。
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(参考:GallupによるObama )
Obama Job approval
12月11日(日本時間12月12日)→59%
12月12日から12月26日=56%~57%で推移。
12月27(日本時間28日、真珠湾訪問)=56%
12月28日(日本時間29日稲田氏靖国参拝)=55%
12月29=56%
12月30日=55%
2017年1月2日=54%
1月3日=53%
1月4日=54%
(この前後、テレビなどに向かい無駄でも稲田問題を指摘し始めた頃。だが、それ以外の要因もあり、ようやく支持率が回復に向かう。一つ間違えると40%台になっていた危険があった。支持率がすべてではないが、稲田氏にオバマ大統領の支持率を下げる権限はない。)
1月8日=56%
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さらに、支持率問題以上に、もし、米国の、真珠湾被害にあった退役軍人が怒ったならば、彼女はどう責任をとっていたのだろうか。
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アメリカ大統領の、「総理をはじめとする国家中枢部の靖国参拝への」態度はまちまちである。現・オバマ政権は、「隣国との協調を考え、日本の顔たる要職に就いている人物は慎重に対応してもらいたい」である。内政干渉を懸念して、「千鳥が淵墓苑」へなどと明言はしていないが、暗に示唆はしていた。
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もちろん、日本がアメリカの属国である必要はない。だが、今回の問題は思想的問題よりも、信義の問題であった。
外務省諸君の見解を聞きたい。「広島」「真珠湾」の単なる、貸し借り的視点で言えば、「義」に反しているのではなかろうか。商談にたとえれば、卑怯なことをしたとしか私には思えない。外務省はこれでよかったのか、と。
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私と中曽根康宏元総理は、憲法九条問題などを含めて見解は相違している。しかし、私は個人的には中曽根康宏氏(98才)を評価している部分が多い。数年前に見たときですら、背筋はしゃんとし、声を荒らげることはない。人の意見に耳を傾ける。彼の片腕に、鳩派といわれていた後藤田正治氏をもってくる。…。
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その中曽根康宏氏が、総理時代に靖国参拝をしようとして断念したことがある。後藤田正治氏の反対が原因とか、…とか様々な意見があったが、私は彼の友の一人と思われる・胡耀邦(こ ようほう、1915年11月20日 – 1989年4月15日)氏の立場に配慮したのではないかと想像している。もし、そうであれば、これが儒教思想である。
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☆☆☆ウィキペディアから引用開始☆☆
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当時中国共産党指導部の胡耀邦総書記ら親日傾向を持つグループとその反対勢力との権力争いがあり、その中で靖国参拝が問題として浮上、中華人民共和国からの抗議が激しくなっただけであるという見方もある。自身の著書の中で中曽根は「親日派の立場が悪くなることを懸念し靖国参拝を中止した」としている。
ウィキペディア「中曽根康弘」で2017年1月8日検索。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E6%9B%BD%E6%A0%B9%E5%BA%B7%E5%BC%98
☆☆☆ウィキペディアから引用終了☆☆
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安倍総理はオバマ大統領の広島訪問などで借りがあり、真珠湾訪問ですらオバマ大統領よりも安倍氏の方に益があったのである。それを、泥だらけにしたのが、今回の稲田氏の靖国参拝であった。
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靖国参拝の是非の前に、信義たるものがあり、田中角栄氏などもそうした面は重んじていたはずである。私の純粋な右翼なるもののイメージは、頭は右翼型、下半身は「義を見て捨てざるは勇なきもの」的な儒教のイメージがあった。その典型例の一人として中曽根氏の例をだした。
しかし、稲田氏は頭だけで、下半身が教育を失敗した「現代っ子の一タイプ・小さな暴君」型か、下半身が全くできていないとしか思えない。「義」とか「道」とかそうした観点が全く欠如した行為としか思えなかった。少なくとも「賢者は正義を知り、愚か者は優越を知る」でしかない。
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私は家で何度も言った。
「どうしても、靖国参拝したいならば、事前に言え、と。『私は靖国参拝をしたいので、安倍総理やオバマ大統領に迷惑をかけたならば問題があるため、真珠湾には行きません。塩崎厚生労働大臣か別の人が真珠湾に行かれた方がよいと思います』」、と。
彼女にオバマ大統領の支持率を下げる権限はない。
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しかし、支持率問題以上に、もし、米国の、真珠湾被害にあった退役軍人が怒ったならば、彼女はどう責任をとるのか、と再度言う。
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ここは、靖国参拝の是非問題ではない。
儒教などの視点から大問題である。もし、彼女が大昔の教育勅語にあこがれているならば、大問題となるであろう。「義に反している」。右翼的「日本の心」にも反している。
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もはや、これは政治問題よりも「信義」の問題である。
国内で大きく波紋を呼ばないならば、それは彼女が唱道しているかに見える、古い秩序と右翼的「日本の心」が成熟していないと喜ぶがよい。
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今回の問題は、私は中国・韓国への配慮問題や、靖国参拝の政治的是非問題ではなく、「信義に劣る」と怒った。
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もし、右翼の人間でも、日本固有の「義」とか、日本の心とか、儒教を尊ぶならば今回の靖国参拝はなかったであろう。
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もちろん、私は右翼ではない。党派中立・宗派中立の立場である。
今回の靖国参拝については、戦犯問題、昭和天皇が靖国参拝をやめた理由、A級戦犯の何人かがヒトラーのスパイであった可能性などを論じる必要はない。
「総理の靖国参拝」への私の見解は以下を参照。ただし、今回の問題は、信義の問題であり、下記の次元問題ではない。
拙著:政経提言―5(正確には激論)小泉総理の靖国参拝を巡って>主張>公式HP
http://takahama-chan.sakura.ne.jp/politics/custom7.html
政経主張全体目次は以下
【項目別リンク一覧】№A-001政経主張と政経提言(2014~2015年)
http://yasuragiblog.h-takamasa.com/?item=%E9%A0%85%E7%9B%AE
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追記。
右翼か左翼かという次元ではない。靖国参拝の是非を問う次元でもない。信義の問題である。もし、アメリカの退役軍人が怒っていたならば…。
また、もし、安倍氏の支持率をあげた大きな要因がオバマ大統領の行動にあったならば、私は今回の行動は卑怯という。簡単に言えば、だまし討ちである。戦いにもルールがあるのに、と。
上杉謙信と武田信玄が生きていたならば武士道に反(はん)すというであろう。彼女を批判するのに左翼の論理は必要ない。
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こう言って、私は数日前から何日も家で怒っていた。プーチンのとき安倍氏がいっとき落胆していたときには激励を……(それは次回記す。同時に私が行った北方領土問題での提案も)。だが、今回は逆であった。
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