徒然なるままに№7・国民栄誉賞を語る

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徒然なるままに№7・国民栄誉賞を語る

伊調馨の国民栄誉賞受賞を契機に、国民栄誉賞を語る

(1)あるとき、私は言った。「森さん、おめでとう」。 森光子さんが、国民栄誉賞を授与されたとき、「おめでとう!」と独り言を言った。(2009年。) その他、同様の例が数例ある。

(2)十年以上前、私は言った。 「何故、大鵬さん、長島さんに国民栄誉賞を授与しないのか」 「国民栄誉賞なるものがあるならば、大鵬さん、長島さんに、両人が生きているうちに、授与すべきである。常識であろう」、と。十年以上前から言い続けた。  しかし、長島さんは生きている内に授与されたが、大鵬さんは何度も言ったのに死んでからとなった。

(3)あるとき、私は言った。そして、今も言い続けている。 「体操の小野喬(おのたかし、1931年7月26日 – )さんは、オリンピックでも4大会で金メダル5つ、銀メダル4つ、銅メダル4つ獲得している。メダル合計13は日本新記録だ。しかも、満身創痍(そうい)の中での東京オリンピックのときの姿を思い出してほしい。何故、小野さんは除外なのか」 「オリンピックで金メダル、金メダルと言うならば、体操の加藤さんはどうして、国民栄誉賞ではないのか」、と。  加藤澤男(かとう さわお, 1946年10月11日 – )さんは 体操競技に出場し8個の金メダルを含む計12個のメダルを獲得している。何故、加藤さんは国民栄誉賞候補にならないのか。

「特に、小野さんは受賞で決まりだろう」、と。言うだけでなく、拙著『日本のフィクサーME・下巻』にも記している。

また、また、あるときに言った。 徹子の部屋で金田さんを見た後の独り言である。 金田 正一(かねだ まさいち、1933年8月1日 – )さんは400勝投手である。にもかかわらず、国民栄誉賞の話題にもならないのは不思議で仕方ない」、と。

(4)またまた、あるとき(2007年)に、人が奇異に思うかもしれないことを言った。  《二○○七年二月六日、東京・板橋区の東武東上線「ときわ台」駅前踏み 切りで、女性が急行電車に飛び込み自殺を図った。助けようとした板橋警察署 の宮本邦彦警部(53=当時、殉職後巡査部長から昇進)が電車と接触し六日後に 死亡した》という事件があった。女性は助かった。

 

私はこのときに家で何度も言った。 「国民栄誉賞があるならば、何故、こうしたケースで国民栄誉賞を授与しないのか。私が総理大臣ならば、間違いなく、国民栄誉賞を授与していた」。  このときは相当回数、同一の発言をしたが効果はなかった。 これは奇異ではなく、正論だと思う。

(5)その逆の話もしなければならない。  現役のスポーツ選手には国民栄誉賞を授与するのは問題が多い。理由は、精神的に、肉体的に、選手の練習や、練習のリズムに悪影響を与えるからである。

『日本のフィクサーME・下巻』第5章の「八・報道ステーションでの対話人物」より抜粋。人名は今回は△△としている。……は誰を指すかは『同上書』を読んでいただきたい。

《引用開始》  「…… また、国民栄誉賞辞退者続発の原因が私の言動が引き金になったことを情報公開するためでもある。  △△の件では、次の三つの理由で国民栄誉賞を受賞すると選手寿(じゅ)命(みょう)が短くなる危険性をアドバイスした。  一つ目は、栄誉賞を取ると、いろいろな儀式に招待され、練習のペースが乱れることがあること。

 二つ目には△△はあのときはまだ若かったため、いろんな人の嫉妬(しっと)が絡(から)み、野球だけに専念できなくなる可能性があったこと。星野監督どころか長島監督、野村監督、ピッチャー金田、張本選手、落合監督等々も取っていないのだから。勿論、野球以外の大物でも取っていない人がたくさんいる。相撲ならば大鵬とか。ノーベル賞受賞者はほぼ全員受賞していない。そこで、様々な所で、嫉妬(しっと)や嫌(いや)がらせにあう確率が高くなること。

 三つ目が、これが一番問題であるが、スランプや怪我(が)をしたときに、自分はまだまだやれると思っても、国民栄誉賞が邪魔(じゃま)になり引退が早まる危険が出てくること。だから、もし、栄誉賞を貰(もら)うならば、現役を引退したときか引退する直前が最適であるとアドバイスした。……」 《引用終了》

上記引用箇所の一の解説が次の①、二が②、三が③である。

①一年間の練習プログラムを組んだ。そこに、突如、いろいろな行事が入ってきたならば、練習のリズムや長期計画は台無しとなり、選手の足を引っ張る。

②考えてほしい。夫婦で大喧嘩(げんか)している。しかし、子供がいるので離婚はできない。もう、伴侶の顔もみたくない。……こうした精神状況で、練習が十分できるか。要するに精神面の問題のときには選手の競技にマイナス影響を与える。 離婚ではないが、人の嫉(ねた)み・嫉妬は同様の効果をもつときがある。特に若い人には。

③さらに、今はスランプであるが、自分は必ずこのスランプを乗り越えられる。だから必死でやると言っても、回りがあなたは国民的スターなので、栄誉が傷ついたならば困るから、引退せよ、とくる。実際に、もし粘れば、逆に自分の思い通りに復活できていたかもしれない。勿論、その逆に栄誉が傷つくこともある。

これが、私の過去の見解である。 要するに、現役選手への国民栄誉賞授与は慎重にということである。最低でも、栄誉賞受賞のメリットとデメリットをきっちり相手に伝えてから、授与すべきである。これが私の見解である。

選手は、良い・悪いに拘(かか)わらず、痛み止めの注射をうちながらでも試合や練習をしているときがある。今回のオリンピックならば、三宅選手、伊調選手などがそうであった。昔の代表例は東京オリンピックのときの小野喬さんである。 そこまで練習・試合に打ち込んでいる状況下では、選手の練習などの足を引っ張る危険性のあることはきっちりと解説をしてから、打診すべきである。若い選手はデメリットを、授与した後で知るのだから。

これを何度も言っただけである。 引退した選手の場合には大抵、私はおめでとうとしか言っていない。

再度、記す。小野喬さんなどが国民栄誉賞候補とどうしてならないのか、と。小野喬さんの東京オリンピックのときの話をどこかの新聞社が書いてほしい。どういう状況で試合に臨んだかを。満身創痍(そうい)の中での奮闘を。 私が国民栄誉賞受賞者の批判などしていないことがこれで分かったであろう。